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自社株式買い取りにおける売主のみなし配当課税と会社及び他の株主への課税について

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自社株買取における課税の概要

非上場会社のオーナー経営者様及びその関係者様にとって、自社の株式を発行会社へ譲渡する方策(自己株式の取得、いわゆる金庫株)は、特に相続や事業承継等をご検討される場面において、重要となるものと存じます。当資料では、自己株式取得を検討する際に考慮すべき株式の売買価格と税務取扱※1の概要について、ご案内いたします。
※1 ここでは、オーナー経営者様が会社へ譲渡する自社株の取得価額等が、出資した額(資本金等の額)と同額という前提でご説明いたします。

 

1.個人から発行会社(自社)へ株式を譲渡する際の、税務上の「時価」とは?

<イメージ図>

個人(A)と会社(X)が、上図のような取引を行う際に、どのような価格で「X社株式」を売買するか、その価格については、当事者の自由です。しかし、税務取扱においては、実際の当事者間の売買価格がいくらであるかにかかわらず、所得税法上の時価(所得税基本通達59-6)を税務上の「時価」として考えることとなります。
なお、この「所得税法上の時価」は、当該個人(売主)が「少数株主」か否か等により、算出方法が異なります。

2.売主、会社、他の株主に対する課税の取扱イメージ

上記「1」について、「所得税法上の時価」を「2万円」「取得価額」を「5千円※2として、次の3つのパターンに整理してご説明します。
※2 「取得価額」=「出資した額(資本金等の額)」=「5千円」という前提でご説明します。

(1)時価で譲渡がなされた場合
取得価額5千円、時価2万円のところ、2万円で譲渡

(2)低額譲渡がなされた場合
取得価額5千円、時価2万円のところ、500円で譲渡

(3)高額譲渡がなされた場合
取得価額5千円、時価2万円のところ、3万円で譲渡

(1)時価で譲渡がなされた場合(取得価額5千円、時価2万円のところ、2万円で譲渡)

 

(2)低額譲渡がなされた場合(取得価額5千円、時価2万円のところ、500円で譲渡) 

(3)高額譲渡がなされた場合(取得価額5千円、時価2万円のところ、3万円で譲渡)

関係する主な法令および法令解釈通達

租税特別措置法
37の10・37の11共-22(法人が自己の株式を個人から取得する場合の所得税法第59条の適用)
所得税基本通達
59-3(同族会社等に対する低額譲渡)
59-6(株式等を贈与等した場合の「その時における価額」)
法人税法
第二十二条(各事業年度の所得の金額の計算)
所得税法
第五十九条(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)
所得税法施行令
第百六十九条(時価による譲渡とみなす低額譲渡の範囲)
相続税法
第九条(みなし贈与)
相続税法基本通達
9-2(株式又は出資の価額が増加した場合)
※当資料に記載の内容は、2025年1月現在の税制・関係法令等に基づき税務・法務の取扱等について記載しております。今後、税務・法務の取扱等が変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。個別の税務・法務の取扱等については弁護士、司法書士、(顧問)税理士等、および、法務省、経済産業省(中小企業庁)、所轄の国税局・税務署等にご確認ください。

記事監修者

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藏田 尚哉(代表取締役社長)

早稲田大学卒業後、野村證券株式会社に入社。リテール・ホールセールスにて超富裕層への相続・事業承継に資する金融サービスの提案業務へ従事。
その後、プルデンシャル生命保険株式会社にて相続・事業承継を中心とした生命保険提案業務に従事し、年間数十回に及ぶ税理士等の士業向け研修講師を務める。
個人の営業成績としては生命保険業界に携わる約125万人の内、上位0.01%以上を獲得。

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佐藤 光(税理士)

税理士法人山田&パートナーズにて、相続・事業承継対策から上場企業の申告業務に従事。
その後、野村證券ソリューション&サポートの駐在者として全国の支店からの相続・事業承継の税務相談対応を行う。
また、みずほ証券IBソリューション支援部に出向し、上場企業オーナーの資産承継・事業承継コンサル業務やIPO支援先企業の資本政策業務を経験。