上場か非上場かに係わらず、株式会社の株主の権利については、大きく分けると、残余財産分配や配当等に関する「自益権」と、株主総会における議決権や、少数株主権、単独株主権等といった「共益権」があります。
当資料では、「共益権」について、その基本的な、いくつかの内容をご案内させていただきます。
注)当資料では、会社法における当該権利について、持株数・持株割合の部分に関する規定について、その一部のみ記載しております。よって、例えば、別途異なる割合を定款で定めることが可能な場合もあり、また、当該の株数および持株割合を有していたとしても、必ずしも当該権利を行使できるわけではないことをご了承ください。詳しくは、各条文をご確認いただき、弁護士等の専門家にご相談ください。






※発行済株式総数は自己株式を除きます。また、自己株式には議決権はありません。
(1)「発行済株式の1/10以上」又は「議決権の1/10以上」を有する株主
・833条 会社の解散の訴え
※株主総会の特別決議で解散の決議はできるが、株主間の対立等、やむを得ない事由があるときに、訴えにより解散を請求
(2)「議決権の3/100以上」を有する株主
・297条1項 株主による株主総会招集の請求等
(3)「発行済株式の3/100以上」又は「議決権の3/100以上」を有する株主
・433条1項 会計帳簿(総勘定元帳等)の閲覧等の請求
・854条1項 株式会社の役員の解任の訴え等
(4)「議決権の1/100以上」を有する株主
・306条 株主総会の招集手続等に関する検査役の選任の申立て
(5)「議決権の1/100以上」又は「300個以上の議決権」を有する株主
・303条2項 取締役会設置会社において、一定の事項を株主総会の目的(議題)とすることを請求
※議題提案権が無視されても、その株主総会の目的となっていない状況下のため、株主総会の招集手続に違法があるとは言えない。(過料、損害賠償請求の問題はあり)
・305条1項 取締役会設置会社において、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知することを請求
・303条1項 取締役会非設置会社において、一定の事項を株主総会の目的(議題)とすることを請求
※議題提案権が無視されても、招集手続に違法な点があるとは言えない。(過料、損害賠償請求の問題はあり)
・304条 株主総会において議案(議題に対する具体的な提案)を提出
※当該議案が法令・定款に違反する場合、又は実質的に同一の議案につき総株主の議決権の1/10以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は提出不可。
※適法な議案提出権の行使が無視された場合、決議の取消しの訴えの対象となる(831条1項)。
・305条1項 取締役会非設置会社において、議案の要領を株主に通知することを請求
・318条4項 株主総会議事録の閲覧請求
・360条 取締役の行為の差止め請求
※裁判外でも可能。差止めの訴え+仮処分の申立ても可(民事保全法23条)。
・367条1項 取締役会設置会社において、取締役会の招集を請求
※同条4項 請求を行った株主は、当該取締役会で意見を述べることが可能
・371条2項 取締役会議事録の閲覧請求
・422条 執行役の行為の差止め請求
・442条3項 計算書類等(貸借対照表・損益計算書等)の閲覧の請求
※株式会社は定時株主総会終結後、遅滞なく貸借対照表(大会社は損益計算書も)を公告しなければならない。
特例有限会社は公告義務が免除。
※大会社=資本金5億円以上又は負債200億円以上(会社法2条1項6号)。
・784条の2 吸収合併等をやめることの請求(消滅株式会社等の株主)
・796条の2 吸収合併等をやめることの請求(存続株式会社等の株主)
・805条の2 新設合併等をやめることの請求(消滅株式会社等の株主)
・828条 会社の組織に関する行為の無効の訴え
(自己株式の処分、資本金の額の減少、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転 等)
・831条1項 株主総会等の決議の取消しの訴え
※「決議の不存在・無効の訴え(830条)」はいつでも誰でも提訴可能。
・847条1項 株主による責任追及の訴え(株主代表訴訟)等
※勝訴の場合、費用・報酬の相当額を会社に請求可能。
※敗訴の場合、図利加害目的がない限り損害賠償義務を負わない。
藏田 尚哉(代表取締役社長)
佐藤 光(税理士)